3月28日(月)
選抜高校野球大会、宮城県代表東北高校ナインの勇姿を被災地に届けます。
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2011年3月11日
東京で感じた大きな揺れ通信遮断、交通の麻痺、停電・・・
完全に都市機能がストップした中で、私たちがテレビから流れてくるニュース映像で知ったのは、
衝撃的な被災地の姿でした。
なす術もなく呆然としている間にも、世界中からは続々と支援の声が上がり、心からの励ましと、
大震災に直面してもなお秩序を保とうとする日本人への称賛の声も知りました。
そして私たちの仲間も。
サンディエゴにいた為末大は、一報を知りいち早く、ネットを使ってオリンピアン達と共に、国内での募金を呼びかけはじめました。
香港にいた中田英寿は、すぐに中国、台湾に渡り、様々な方法で海外の人に募金の呼びかけをしました。
全米ツアーにチャレンジする上田桃子は、「負けるな日本」のバッジをつけて試合に挑みました。
アスリートだけではありません。
私の身近な友人も、いち早く自らトラックに乗り込み、救援物資を被災地に届け続けました。
私たちはスポーツ選手のマネジメントをしたり、
世の中を楽しくするようなアイディアを考えたり、
イベントを企画したりするような会社です。
普段から震災発生時用に役立つ物を作っているような会社ではありません。
どーんと寄付出来るようなお金があるわけでも、現地で瓦礫を片づけるための重機を持っているわけでもなく、ましてや被災者を救出したり、治療したり、心のケアをすることもできません。
無力を感じました。
“被災しなかった人は、普段通りの仕事を続けることが、
日本のため、そしてそれこそが東北復興の礎になる”
そんな声も聞こえてくる中、
気持ちを切り替えて、目の前の仕事に目をむけると、
そこには厳しい現実がありました。
11日以降、決定していたイベントが次々と中止になっています。安全上の理由、物資不足、節電、また、ただ単に不謹慎だから。
一つ一つの決断にはそれぞれの理由がありました。
みんなの被災地を思う気持ちは一緒です。
被災地の、そして被災された方々の復興への道のりは、
これから先長い長いものになるはずです。
元気で働ける人が、どんどん働かないと、私たちも元気でいないと、復興の力にはなれません。
お祭りやイベントは人を元気にします。人が集まり、経済が活性化されます。
そして言うまでもなく、いつの時代もどんな時も、
スポーツは人々に感動を与えてくれます。
ですが、 スポーツ選手一人一人がどんなに被災地への思いを馳せてプレイをしても、
残念ながら被災地にいる多くの方々は、
そのプレイを見る事も出来ないということを聞きました。
それならそれを届けに行こう。
仕事の仲間が、中止になったイベントで使う予定だった自家発電機を搭載したビジョン付きの大型トレーラーを提供してくれました。
そして、様々な方の協力で、このパブリックビューイング用の車輛を、宮城県の2か所の避難所に設置できることになりました。
私たちのすることが、避難所にいらっしゃるみなさまにとっての正解かどうかはわかりません。
でも、私たちにでも、何か力になれるような事はないかと考え続ける中で、
国や県の方々とも相談しながら、現地に迷惑のかからない方法で、
実現の手はずを整えました。
スポーツで被災者の方々を励ますといったおこがましいことを言うつもりはありません。
ただ、今すぐにできることで、自分たちに思い付くことが
これだっただけです。
1000年に1度といわれる出来事に直面し、
とるべき行動の何が正解なのかは、誰も答えられません。
であれば、被災地の迷惑にならないことに最大の配慮をしながら、自分が思うことを臆せずに行動に移す。
それが、この国が新しい姿になっていくための大事なことのような気がしました。
これから宮城に向かいます。
被災地に派手なトレーラーで乗り付けてと、批判があるかもしれません。
でも、この春の大会に、強く特別な想いでグラウンドに立つ
東北高校のナインの姿を届けにいきます。
スポーツは筋書きのないドラマ。
対戦相手も、この甲子園での勝利のために懸命に練習に励んできた球児達です。
どんな戦いが繰り広げられるのか楽しみです。
多くの日本人が、常に被災地の方々を思い、善意の押し売りにならないよう心配りをしながら、
自分にできる仕事をどんどんポジティブにやっていく。
それこそが、「がんばろう東北!がんばろう日本!」の本当の意味だと、私たちは信じています。
株式会社サニーサイドアップ 代表取締役 次原悦子
追伸、
今回の活動にご賛同いただいた
株式会社フロンティアインターナショナル様(http://www.frontier-i.co.jp/)、
ネクセルトラスト株式会社様(http://www.nexcel.co.jp/)に
心より御礼申し上げます。