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メディアリレーションとは?知っておきたい基本と成功に導く5つのポイントを解説

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企業の広報活動において、メディアとの良好な関係構築は不可欠です。しかし、「プレスリリースを送っても、なかなか記事にならない」「記者とどうやって関係を築けばいいかわからない」といった悩みを抱える広報担当者も少なくありません。その鍵を握るのが「メディアリレーション」です。

 

本記事では、メディアリレーションの基本的な概念から、具体的な活動内容、成功に導くためのポイント、注意点までを網羅的に解説します。

メディアリレーションとは?

メディアリレーションとは、企業や組織が、新聞テレビ雑誌Webメディア・インフルエンサー・KOL(専門性を持ち、消費者の購買意思に大きな影響力を持つ人)といったさまざまなメディアや人物と長期的かつ良好な関係を構築し、維持していくための活動全般を指します。単に情報を発信するだけでなく、メディア側のニーズを理解し、お互いにとって有益なコミュニケーションを築くことが目的です。

◾️メディアと良好な関係を構築することの重要性

メディアは社会に対して大きな影響力を持つ存在です。特に、主な情報源として全世代で最も利用されているのは「テレビ」(90.1%)であり、次いで「インターネット(テレビ・新聞・ラジオ以外の事業者等が提供するもの)」(89.2%)となっています。メディアに取り上げられることで、企業や商品の認知度は飛躍的に高まり、社会的な信頼性を得られます。

実際に、情報の信頼度について尋ねた調査では、「テレビ」を「信頼できる」と回答した人の割合は63.4%にのぼり、依然として強い影響力を持っていることがわかります。広告とは異なり、メディアという第三者の客観的な視点を通して情報が発信されるため、生活者はより信頼性の高い情報として受け止めやすいのです。効果的な情報発信を実現するために、日頃からメディアと良好な関係を築いておくことが極めて重要となります。

 

参考:総務省|令和3年版 情報通信白書|メディアに対する信頼

◾️メディアリレーションとメディアプロモートの違い

メディアリレーションと混同されやすい言葉に「メディアプロモート」があります。効果的な広報戦略を立てるために、二つの違いを理解しておきましょう。

 

 

メディアプロモートは、メディアリレーションという大きな枠組みの中の一つの具体的なアクションと位置づけられます。つまり、良好なメディアリレーションが土台にあってこそ、メディアプロモートの効果が最大化されるのです。

◾️なぜ今メディアリレーションが注目されるのか

インターネットの普及により、WebメディアやSNSなどメディアの数が急激に増加しました。生活者が触れる情報量が増え続ける中で、企業が自社の情報をターゲットに届けることはますます難しくなっています。信頼性の高いメディアを通じて情報を発信することの価値が相対的に高まっており、メディアとの関係構築、すなわちメディアリレーションの重要性が再認識されているのです。

メディアリレーションの具体的な活動内容

メディアリレーションの具体的な活動内容

メディアリレーションは多岐にわたる活動で構成されます。ここでは、代表的な活動内容をいくつか紹介します。

◾️プレスリリースの配信

プレスリリースは、新商品や新サービスイベント開催経営情報など、企業の新たな動きをメディアに知らせるための公式文書です。メディアリレーションの最も基本的な活動と言えます。単に情報を送るだけでなく、社会的な関心事と関連付けたり、魅力的なストーリーを盛り込んだりすることで、記者の目に留まりやすくなります。

◾️記者発表会や記者懇親会の開催

新製品のローンチや大規模なプロジェクトの開始など、特に重要性の高い情報を発表する際には、記者発表会が有効です。多くのメディア関係者を一堂に集め、直接製品やサービスに触れてもらうことで、深い理解を促します。また、少人数での記者懇親会は、記者とより親密な関係を築き、本音の意見交換ができる貴重な機会となります。

◾️メディアキャラバンや個別ピッチの実施

メディアキャラバンとは、広報担当者が直接メディアの編集部を訪問し、情報提供や売り込みを行う活動です。一方、個別ピッチは特定の記者に対して、記者の関心事に合わせた情報を個別に提案することです。どちらも、ターゲットとするメディアや記者に対して、より深く、熱意をもって情報を伝えられる効果的な手法です。

◾️プレスキットやファクトブックの準備

プレスキットとは、記者が必要とするであろう情報をまとめた資料一式のことです。企業概要ロゴデータ関連写真過去のプレスリリースなどが含まれます。ファクトブックは、企業の歴史や業績、市場データなどをまとめた、より詳細な背景資料です。事前に準備しておくことで、記者は迅速かつ正確に記事を執筆でき、メディア側の負担を軽減できます。

メディアリレーションがもたらす5つのメリット

メディアリレーションがもたらす5つのメリット

メディアリレーションに注力することは、企業に多くのメリットをもたらします。ここでは、代表的な5つのメリットを解説します。

◾️メリット1:費用対効果の高いPRが実現できる

メディアに記事として取り上げられる「パブリシティ」は、広告費を支払って掲載枠を買う「広告」とは異なります。メディアリレーションを通じてパブリシティを獲得できれば、広告費をかけずに多くの人へ情報を届けることが可能です。特に広告予算が限られるスタートアップや中小企業にとって大きなメリットです。

◾️メリット2:企業の知名度とブランドイメージが向上する

メディアでの露出が増えれば、当然ながら企業の知名度は向上します。繰り返しメディアに登場することで、「この分野ならこの会社」という専門家としてのポジションを確立することも可能です。ポジティブな文脈で報道されることで、企業のブランドイメージ向上にも大きく貢献します。

◾️メリット3:第三者の客観的な評価による信頼性獲得

メディアによる報道は、記者や編集者という第三者の客観的な視点が入るため、情報の信頼性が高まります。消費者の購買意欲や、取引先の選定、採用活動においても有利に働きます。

◾️メリット4:従業員のモチベーション向上につながる

自社がテレビや新聞、Webニュースなどで取り上げられるのは、従業員にとって大きな誇りとなり、仕事へのモチベーション向上に繋がります。自分の仕事が社会に認められていると感じることは、エンゲージメントを高め、組織全体の活性化にも貢献します。

◾️メリット5:危機管理(クライシス・コミュニケーション)に役立つ

企業活動には、時に不祥事や事故といったネガティブな事態が発生するリスクが伴います。危機的状況において、日頃からメディアと信頼関係が築けていれば、企業としての公式な見解を迅速かつ正確に社会へ伝えられます。誤った情報の拡散を防ぎ、ダメージを最小限に食い止める上で、メディアリレーションは重要な役割を果たします。

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メディアリレーションを成功に導く5つのポイント

効果的なメディアリレーションを築くためには、いくつかの重要なポイントがあります。ここでは、成功に不可欠な5つの要素を解説します。

◾️ポイント1:各メディアの特性や記者を深く理解する

すべてのメディアに同じ情報を提供しても、成果には繋がりにくいです。各メディアがどのような読者層を抱え、どのような情報を求めているのかを深く理解する「媒体研究」が不可欠です。さらに、個々の記者がどのような分野に関心を持ち、過去にどのような記事を執筆してきたかを把握できれば、よりパーソナライズされた的確なアプローチが可能になります。

◾️ポイント2:社会的価値のある情報を提供する

メディアは、単なる企業の宣伝ではなく、社会にとって有益な情報や、読者・視聴者が関心を持つ情報を求めています。自社の情報を発信する際は、常に「社会にとってどのような価値があるか?」という視点を持ちましょう。自社の取り組みが、特定の社会課題の解決にどう貢献するのか、あるいは新しいトレンドをどう創り出すのか、といった大きな文脈でストーリーを語ることが求められます。

◾️ポイント3:定期的な情報発信で接点を持ち続ける

メディアとの関係は、一度構築したら終わりではありません。プレスリリースの配信やSNSオウンドメディアなどを活用し、定期的に情報発信を続けることで、企業の存在を常にメディアに意識させることが重要です。大きなニュースがない時期でも、業界動向に関するコメントを提供するなど、継続的なコミュニケーションを心がけましょう。

◾️ポイント4:迅速かつ誠実な対応を心がける

記者は常に締め切りに追われています。メディアからの問い合わせや取材依頼には、可能な限り迅速に対応することが信頼関係の基本です。すぐに回答できない場合でも、まずは一報を入れ、いつまでに回答できるかの目処を伝えるなど、誠実な姿勢が求められます。急な依頼にも応じられるよう、日頃から社内の情報を集約し、対応できる体制を整えておくことも大切です。

◾️ポイント5:社内全体で協力体制を築く

メディアリレーションは、広報担当者だけでは成り立ちません。取材対応には経営層や現場の従業員の協力が不可欠です。広報活動の重要性を社内に周知し、全部門が協力してくれる体制を築くことが成功の鍵となります。各部署から常に新しい情報が集まるような仕組みを作ることで、より多くのニュースを発信できるようになります。

メディアリレーションにおける3つの注意点

メディアリレーションにおける3つの注意点

メディアとの良好な関係を損なわないために、注意すべき点がいくつかあります。ここでは特に重要な3つのポイントを挙げます。

◾️自社の宣伝に偏った情報提供をしない

プレスリリースや情報提供が、広告のように自社の宣伝文句ばかりになってはいけません。メディアは客観的な事実や社会的な意義を重視します。宣伝色が強い情報は敬遠され、繰り返し送ることで企業の信頼性を損なう可能性もあります。あくまで「社会にとって価値のあるニュース」を提供するという姿勢を忘れないようにしましょう。

◾️掲載内容に過度に干渉しない

取材後、どのような記事になるかの編集権限はメディア側にあります。明らかな事実誤認がある場合を除き、「もっと大きく扱ってほしい」「この部分は削除してほしい」といった、自社の都合を押し付けるような過度な要求は避けるべきです。メディアの独立性を侵害するものと見なされ、関係悪化の原因となります。

◾️著作権や肖像権などのルールを守る

メディアに写真や映像を提供する際は、著作権や被写体の肖像権の許諾が適切に取れているかを必ず確認しましょう。また、メディアで掲載された記事や写真を自社のウェブサイトなどで利用する「二次利用」の際には、必ずメディアの許可を得る必要があります。無断使用は著作権侵害にあたるため、各メディアが定めるルールに従い、適切な手続きを踏みましょう。

 

参考:著作権テキスト -令和7年度版- 文化省著作権課

まとめ

メディアリレーションとは、メディアとの長期的な信頼関係を築くための地道な活動です。それは単なる情報発信に留まらず、メディアの特性を理解し、社会的な価値を提供し、誠実なコミュニケーションを積み重ねることで成り立ちます。本記事で紹介した活動内容や成功のポイントを実践することで、企業の認知度向上やブランド価値の向上に大きく貢献するでしょう。メディアを単なる情報伝達の手段としてではなく、社会と企業をつなぐ重要なパートナーとして捉え、良好な関係を築いていきましょう。

メディアリレーションの構築には、継続的な関係づくりと戦略的なアプローチが欠かせません。サニーサイドアップは豊富なメディアネットワークと実績を活かし、貴社の情報発信を強力にサポートいたします。露出機会の最大化を実現しませんか?効果的なメディアリレーション戦略をお考えなら、ぜひご相談ください。

 

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